同人誌の内容に関わるマナー
『内容にまでウルサイこと言わないでよ』・・・と思われるかもしれませんが、意外と
マナー違反の多いのが同人誌の内容そのものについて。
中には結構深刻な問題もあるんですよね・・・
そして、余談になりますが・・・
このページ、結構『発行物・印刷物のマナー』という検索語で引っかかることが多いようです。
・・・が、見ての通り、このページは『同人界』という特殊な状況下においてのマナーを扱うページですので、
参考程度にはなるかもしれませんが、一般常識とは若干異なる
部分もあるかと思います。
一般常識上のマナーを求めてお越しになった方は、予めその点御了承の上で閲覧くださいますようお願いいたします。
- 作品タイトル・ペンネーム
- ・・・個人誌の場合は問題ないことなのですが、描(書)いた作品内には
必ずその作品のタイトル(イラストとかトークには不要ですが)と描いた同人作家のサインを
明記しましょう。
結構あります。タイトルもサインもない漫画とか・・・
『まあ、内容さえちゃんとしていれば問題ないじゃない』・・・その通りでしょうが、
タイトル無し・名無しでは、感想とかもいただけないですし、読んでくださった方の記憶にも
残りにくいですし・・・あまり良いこととは思えませんよ。
- 著作権の問題
- オリジナル作品の場合は関係ありませんが、アニメ・漫画・ゲーム等のジャンルには
原作者・各関係会社等に著作権が存在します。
アニメ・ゲームにつきましては原作者側がかなり同人界に寛容な考えを持っていらっしゃるケースも
多く、同人活動が容認されているのが現状ですが、一部ゲーム会社におきましては、ネタバレ等の
問題から同人を容認しつつも厳しい眼で見守っていらっしゃるケースも多いようです。
どちらにしても、原作者様・関係会社様に敬意を示しつつ、『ステキな作品をありがとう』的態度を
表した作品作りをしなくてはなりません。
また、芸能ジャンルにつきましては、かなり同人界に厳しめなジャンルでもありますので、
特に気を配るようお願いいたします。
同人誌に使う人はそれほど多くは見かけませんが、
『(C)マーク』やロゴマークの問題もあります。
これについては、便箋等グッズのマナーにて。
そうそう。『作詞作曲自分』以外の歌の歌詞を書くこともいけないことなんですよ〜(例外も
ありますが。昔からある童謡とか)
- イラストの貼り付けとか
- ・・・ダメです。
たまに、市販書籍からの切抜きやコピーをそのまま誌内に貼り付けている方がいらっしゃいますが、
これはかなり著作権に違反しまくってしまいます。
原作者様の作った世界観やキャラクターを、言い換えれば『無断』でお借りしている上に、
絵まで勝手に使用することはかなり失礼な行為とも言えますよ。
ゲームの画面写真や芸能人の写真の無断転用も同様です。(・・・っていうか、こっちの方が
多分いけないことだと思う)
背景とかも・・・背景集とかの利用ならともかく、他の方が書いたものを流用することは
絶対にいけません!!
また、著作権云々とはちょっとかけ離れますが、他の同人作家さんが描いた作品(や一部)を
無断で使用することも、絶対に止めてください!!
- 『パクリ』について
- あまり良い表現ではありませんが・・・(汗)
他人の作品を、まるで自分が考えたように描(書)くことは良くない・・・ってことくらい、
わかりますよね?
まあ・・・『パクリ』をネタにギャグを書く人もいるし、同人誌自体が『パクリ』と言ってしまえば
その通りですから難しいところですが・・・
あとね・・・同じ視点で物を見る人も世の中には存在するわけで、同じネタを思いついちゃう
ことだって当然あるんですよね・・・
ですから、神経質に悩むことはないとは思いますが、『故意に真似する』ことだけは
しないように心掛けましょう
- 年齢制限
- 16禁(R指定とかも言いますね)・18禁、場合によっては成人向け・・・基準はかなり
曖昧なところもあるのですが、製作する側は必ず意識して書くように心がけましょう。
(状況が許すのなら、第三者のお友達等に確認してもらうのも良いかもしれませんね。・・・状況が
許すなら・・・)
そして年齢制限が生じた作品の表紙等の目立つ位置には、必ず対象年齢を明記してください。
(または、イベント販売の際にプライスカードと共に明記しておくか、ペーパー等の
発行物紹介らんに明記しておくか・・・)
個人的な意見ですが、同人界のモラルを疑われるような度を越えた作品は自粛するなり
何らかの対策を講じるべきだと思いますが・・・
・・・あまりにも・・・な作品の場合は、印刷屋さんから製本をお断りされる・・・という話も
聞いたことがありますが、
具体的にどの程度・・・という点につきましては、割愛させて頂きます☆
- カップリング本
- あまりこだわる必要もないのかもしれませんが、特定カップル(特にオフィシャル以外の)を
大プッシュする作品につきましては年齢制限のない健全路線のものであっても、
表紙に明記まではしなくても構いませんが、見た人がわかりやすいようにしておくのが
親切かもしれません。
まあ、原稿そのものには手を入れなくても、ペーパーの紹介文やイベントのプライスカードにて
補足する方法もありますけど・・・☆
- パラレル作品について
- パラレル作品・・・とは、既存のキャラクターを利用して別の設定等でストーリー化したもの
・・・と考えてください。
例えば、もともと学園モノのストーリーの作品のキャラを使って時代劇やファンタジー作品を
描いたり、もう少し軽度なものだと登場人物の10年後ストーリーだったり・・・
まあ、厳密には、同人作家の作品の大半は『もしも〜』の過程に基づいたパラレル作品とも言えるの
でしょうが、ここでは『このお話は○○という設定でお読みください』的注釈が必要な作品と
お考えください。
・・・そう。その『注釈』って必要だと思いませんか?
特にパラレル度(あじの造語)が高ければ高いほど、知らないで読んだ方はビックリして
しまうと思われます。
芸能ジャンルの方にお聞きしたことがあるのですが、某芸能人の前世話を描いたパラレル本に対して、
『これって本当の話なんですか?』とか『どうしてこんなこと知ってるんですか?』的感想を
いただいたことがあるとか・・・
特に芸能ジャンルの方の場合、それを読む方が同人関係者ではなく、同人免疫のない熱烈なファン
である可能性も考えられます。
同人界ではありきたりなパラレル設定について何も知らなかったり、理解できなかったり・・・という
ケースも多分に考えられるのです。
場合によっては、上記質問を御本人へのファンレターに書いたり、事務所側に問い合わせたり・・・
といった、とんでもない事態に発展することも考えられます! (これは冗談ではなく、
ホントに)
芸能ジャンルの場合は特に、それ以外でもパラレル度の強い作品の場合は、前書き等にて留意して
おくのが親切ですし、御自分のためにもなるでしょう。
- 詳しくないジャンルの執筆について
- 別に、数回だけ読んだ事がある&見かけたことがある・・・といった作品を描(書)くことに
問題はありません。
・・・が、実際問題として、『変』な内容になってしまっているケースを時折見かけます。
一人称が『僕』のキャラクターが『俺』になっていたり・・・で、違和感を感じたり、
中学生の設定のキャラが高校生として
描(書)かれていたり・・・(パラレル作品ならアリでしょうけど)
極めつけは、キャラクターの名前を間違っている・・・というとんでもないケースもあるん
ですよね〜(アニメ作品の場合耳だけで聞くため、資料がない場合は仕方のない部分もあるの
ですけど・・・)
また、登場したばかりの設定が良くわからないキャラクター等を描(書)く
ことも有り得るでしょう。
男の子として登場したけど、大どんでん返しで実は女の子・・・みたいなキャラクターなんて山ほど
いらっしゃいますから(笑)
そんなわけで、仕方のない部分も多々ありますが、読んでくださる方のためにも、無責任な
執筆だけは避けたいものですよね。
- 実話ネタについて
- 自分の周りで起きた楽しい出来事をネタにして原稿化・・・時々見かけることと思います。
・・・が、仲間内だけで回し読みするのならともかく、広い範囲に公開するつもりのある
作品なら、『本名を使ったり個人が特定できるような表現』・『個人のプライバシーを暴露する
ようなこと』・『当人が嫌がっている(嫌がりそうな)こと』等を描(書)くのはマナー
違反です。
あと仕事をされている方が職場の内部事情を暴露・・・ってのも、内容によっては職務規定や
守秘義務等に関わる問題が出てくる可能性もありますので、注意が必要です。
まあ・・・広い範囲に公開しない作品であっても、2つ目と3つ目については人として当たり前の
ことですよね。
後のトラブルを避けるためにも、ネタを使う時はできるだけ相手に許可を得た方が
良いとは思います。
相手の方が同じく同人作家さんの場合、自分でネタにしようと考えているかもしれないですしね。
相手が同人関係者でなく、許可を取り難い場合は・・・ちょっと難しい問題になりそうですが、
若干脚色を加えるなどしてネタをそのまま使わないとか、何らかの配慮をした方が良いでしょう。
どちらにしても、実話ネタは、ネタを描(書)かれた本人が目にしても、心から楽しんで
くださるような明るい話題を作品化するべきです。
- 奥付・発行元の明記
- 大抵の方は、同人誌の最終ページ等に明記しているようですが、当然あった方が良い
でしょうが、どうしてもなくてはならないもの・・・というわけでもありません。
まあ、あった方が親切かな・・・?
『責任を持ってこの本を作りました』って誠意も伝わるし。
本名や住所を書くのに抵抗がある場合は、サークル名だけ・・・とかサイトURLを書く・・・と
いう方法でも問題ないかと思います。
- 再版・再録本
- 本1冊ほぼ丸ごと再版の場合で、表紙イラストや印刷形式を変更した場合、再版本であることが
わかるようにしないと、間違えて同じ物を買ってしまった方が悲しい思いをする
かもしれません。
表紙に明記・・・とまでは言いませんが、ペーパーの紹介文やイベントのプライスカードにて補足
しておく必要があるのと同時に、前書き等には明記しておくべきでしょう。
再録の場合も同様です。
その他の発行物の作り方のマナーの各項目はこちらです。
合わせて御覧になった上で、参考にしていただけたら幸いです。
発行物の準備・計画のマナーを見る
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