サークル付き合いのマナー


 もちろん地元イベント等でのサークル付き合いも大切でしょうが、 ここでは『お手紙』上のお付き合いについて限定していろいろ考えてみる ことにします。(ネット上のお付き合いにも共通していえること かもしれませんね)
 あと、『お手紙上のサークル付き合い』の中心的活動でもある、 ペーパー配布と商品委託についても、このコーナーで扱います。
 普通の『お付き合い』と分ける意味でも、ここでは『取引』という言葉で 言い換えておきますことを付け加えておきます。
 あ、ゲスト原稿に関わる事柄についてもサークル付き合いになりますが、 これについては発行物のマナーの方を読んでくださった方が良いでしょう。

 そして、余談になりますが・・・
 このページ、結構『サークルのマナー』・『お付き合いのマナー』という検索語で引っかかることが多いようです。
 ・・・が、見ての通り、このページは『同人界』という特殊な状況下においてのマナーを扱うページですので、 参考程度にはなるかもしれませんが、一般常識とは若干異なる 部分もあるかと思います。
 一般常識上のマナーを求めてお越しになった方は、予めその点御了承の上で閲覧くださいますようお願いいたします。




相手との『関係』を見極める
基本的に、サークルさん同士の付き合いは一線を置いた関係であるのが 普通です。
どんなに仲良しのサークルさんであっても、無理なお願いや失礼な行為は 絶対にダメ。
・・・ただ、どの位までなら良くて、どこからがダメなのか・・・というのは、 お互いの関係の深さによって違う訳でして・・・
『はじめましてのサークルさん』と『もう何年も文通相手のように親しく しているサークルさん』・・・そして『何年も取引はしているけれど、 事務的なお付き合いのみのサークルさん』・・・とでは、線の引く位置が 違うのは当り前のことですからね。

サークル同士のルールを決める
個人サークルや、普通の中小規模のサークルの場合、特別に他のサークル さんとの付き合い方のルールを決めていない場合がほとんどです。
もし、お付き合いをする上で、相手に守ってもらいたいルールがある場合は、 はじめにその条件を提示して、納得してもらった上でお付き合いを開始 するべきでしょう。

どちらのルールが優勢か
サークルさんによっては、他のサークルさんとの取引に付いて、 最初からルールを用意している場合があるかと思われます。
・・・例えば、『ペーパー配布は年に3回・50枚の交換オンリーで やってます』・・・とかいった感じで。
ところが、自分の方にも別のルールがある・・・仮に『ペーパーは2ヶ月 ごとに20枚交換』・・・とでもしておきましょうか。
こんな風に、違うルールのサークルさん同士が取引をする時は、 どうすればいいの?
・・・といったケースも多いかもしれませんが、大抵この場合は、 はじめにアポを取った方が相手のルールに従うべきでしょう。
もし、相手の具体的なルールを知らずにアポを取ってしまった場合も同様で、 どうしても自分のところのルールを曲げたくない場合は、『こちらから お手紙しておきながら大変申し訳ないのですが、自分のサークルの 活動方法と合わないみたいですので、この話はなかったことに・・・』的に お断りしましょう。

ルール変更
最初に決めたルール以外にも、新しいルールを決めることになったり、 ルールそのものを大きく変更することになったり・・・そんな時は、 返信用の切手等を同封の上、 まず相手サークルさんに了承をとらなくてはなりません。
逆に、相手サークルさんから、ルール変更の申し出を受け取った時ですが、 『そのルールには従えない』ということであれば、できるだけ早く相手側に その旨連絡しておきましょう。
結果、取引が終了してしまうことになっても、これは仕方のない ことですから・・・
ただ、ルール変更の内容にもよりますが・・・今までお付き合いしてきた サークルさんに対しては、変更することによって相手に損をさせないような 配慮をすべきかと思われます。

連絡方法
普通は郵便での連絡が一般的です。
仮に、相手の方の電話番号やメアドを知っていても、よほど親しい間柄や緊急の用事でもない限りは 郵便にて連絡をとりましょう。
相手の方が、貴方が思うほど『貴方と親しい』と思っていらっしゃらないかもしれませんし、 大事な用件だと書面として残る方がトラブルの防止にもなるはずです。
郵便だと突然お引越しとかされたとしても転居届け等を出している限りは転送されますが、 メールの場合、メアドを変更したり(転送メール使えば別ですが)パソが壊れたり・・・で、 用件が伝わらないこともありますから、あまり好まれないようです。
いずれは、さらにネットが普及して、メール連絡が当たり前になる日が来るのかもしれませんが、 現時点では多用しない方が良いかと。
どうしても使いたい場合は、先に許可を取っておくと良いかも。
ただ、ネット上でのお付き合いをメインに付き合っているサークルさんの場合はメールを使う方が 一般的かもしれません。
ただし、携帯メールは保存に限界があるので、大事な用事には避けた方が無難です。

通信費の負担
・・・っていうか、平たく言うと切手代のことですね。
大抵の場合、取引をはじめてしまった後の切手代は、それぞれで 負担するのが常識です。(『はじめまして』の時は例外です)
ただ、いつもの取引以外のお手紙を書いて、その返事が欲しい場合・・・ 等は、一応返信用切手を同封しておくのがマナーでしょう。 (上記の『ルール変更』とかがその例ですね)

取引の終了
初めから期限付きで取引をしていたのでもない限り、いつかはどちらかの 都合で取引を終了する日がくるかもしれません。
急病等のやむを得ない事情でもない限りは、予め、お詫びとお礼の手紙を 先方に送っておかなくてはなりません。
万一、連絡が遅れたために、先方からペーパー・委託品等が送られてきた場合は 絶対に相手側に損をさせるようなことをしてはいけません。
責任を持って受け取った分の取引までは全うするか、お詫びの手紙を添えた 上で、荷物とその送料分の切手をお返しするか・・・どちらか可能な方で 構わないと思います。
間違っても、そのまま放置・・・なんて許されませんよっ!!

ペーパー配布について
ちょっと一般的な配布形態やルール等についてまとめてみました。
ルール作りや取引の円滑化にお役立てください

●一方的配布
つまりは、『貴方のペーパー配ります・・・でも、私はペーパー 作ってません』・・・みたいな感じの方に配布してもらうことを言います。
一般的に『ペーパー配布のお礼』は、この一方的配布者様に対しての ものと考えられます。
『お礼』の内容は様々ですが、一般的なのは『当サークルの発行物』 でしょう。・・・が、相手の方が納得してくれるのであれば、別にどんな 形でも構わないと思います。
別に『お礼』しなきゃならないってものでもありませんしね。
一方的に配布してくださる方は、厚意だったりそれ自体を趣味としている方も 多いので、あまり過度な『お礼』は相手を恐縮させてしまいがちです。
・・・が、中には、ペーパー配布自体を活動の一環としている方も いらっしゃって、配布のための条件が明確にされている場合もありますので、 その場合はこれに従わなくてはなりません。(イベントに参加・同人誌の ゲスト執筆等や、『ペーパー配布一枚に付き1円』という代金制等いろいろ)

●交換配布
お互いのペーパーをお互い配りあいましょう・・・な、配布形態。
お互いが全く同じ条件で配りあう方法(3ヶ月ごとに30枚とか)も ありますが、大抵は『新しいペーパーが発行できたら』・・・という風に、 配布間隔を決めていないことが多いようです。
まあ、枚数については『同枚数配布』がほとんどみたいですね。

●継続配布
期間を決めて、またはとりあえず無期限で、配布活動を続けるタイプの 配布。
お互いに長い付き合いになるので、ルールはきちんと守りましょう☆

●一回きり配布
・・・『継続配布』と対になる配布方法なのですが・・・もっとマシな 表現方法ってないものでしょうかね・・・
とにかく、たった一回だけ配布をお願いする・・・という方法。
普通のサークルペーパーというより、イベントのお知らせや、新刊のCM等の 突発的なペーパーの配布をしたい場合は、この条件で配布してくださる方を 探すと良いでしょう。

●イベント配布
イベントに参加した折に、その場を利用してペーパー配布をする方法。
スペース内からお客様に手渡しする方法と、チラシ置き場を利用する方法とが ありますが、後者の配布を嫌う方も多いので、はじめに相手サークルさんに チラシ置き場を使っても良いかどうかを確認しておくと良いでしょう。
配布については、イベントによって方法を規制している場合もあるので、 それについてはイベントのルールに従ってください。

●郵送配布
他サークル様や、同人関係者様へ何らかの手紙や荷物を発送する際に、 ペーパーを同封する方法。
ペーパーの発行元に同封してしまう・・・という、おバカなミスには 要注意・・・ですね(笑)

●配布地域限定
イベント配布の場合に、時折見られるルールなのですが、同じ市内に 同じペーパーを配布しているサークルさんが山程いたとしたら、それも無駄な ことなので・・・というわけで、この条件を つけるサークルさんは多いようです。

●配布対象限定
女性にのみ見てもらいたい・・・とか、○○ファン以外には読んで もらいたくない・・・等の場合がこれですね。
あまり、強くこの条件を出してくるサークルさんは見かけませんが、 この条件を出しているペーパーを、イベント会場のチラシ置き場に放置・・・ なんて、マナーがなっていませんよ。

●配布間隔の指定
継続配布の場合に限られますが、『2ヶ月に一回ペーパーを発行するので、 その都度配ってください』・・・な配布。
定期的にイベントに参加する方か、かなりマメに手紙を書いたり通販の発送を する方でないと、受けられない条件なので、注意が必要です。

●配布枚数の指定
・・・っていうか普通、枚数は指定するものなのでしょうが・・・
配布枚数は、サークルさんによってそれぞれ事情が違うのが 普通なのでしょうが、大抵の場合は20枚〜30枚または、50枚程度の 指定することが多いようです。
最小の単位が20・・・というのには、理由がありまして・・・まあ、 ぶっちゃけた話、費用の問題なのです。
例えば、一枚だけ配布をお願いしたとなると、送料に80円かかる訳ですが、 20枚だと・・・Pumpkinのペーパーの場合240円。・・・B5サイズ で、もっと薄い紙のペーパーだったとしたらもっと安く発送できちゃうかもしれませんね。
たった一枚を3ヵ所に送るのと、20枚を1ヶ所に送るのが同じ料金 なんですから・・・これ以上の説明は無用ですよね?
・・・というわけで、あまり小さな単位で、配布の申し出をするのは ・・・ちょっと考えものなのです。

●再配布の禁止
・・・正直なところ、あじは殆どこだわってないのですが、中には、 この条件をペーパー内に明記しているサークルさんも多いです。
つまりは『貰ったペーパーを勝手に違う人に送りつけるな』って意味。
情報の出所を管理・把握しておきたい方も少なくありませんからね。
ちゃんと取引しているサークルさんからお預かりしたペーパーを配布する分には 問題ないことですが、一応参考までに・・・
逆に『再配布歓迎』って場合も多いのですが・・・

商品委託について
これについては、ペーパー配布以上にルールを厳密に決めておかなくては なりません。
あくまでも、ここに書くことは参考ですので。

●一方的委託
一方的に、商品を委託する・・・という方法。
ペーパー配布同様『お礼』も発生するのですが・・・これも『発行物』・ 『売上げの○%』等様々です。
『お礼』という形ではなく『半年で○円』とか『○冊で○円』のように、 最初から設定しておいた上で、取引する場合も多いです。

●交換委託
つまりは、商品同士を交換してお互いに販売する方法。
『お礼』は・・・基本的には必要ないのでしょうが、『売れた時は売上の ○%』という感じで設定している場合もあるようです。

●買い取り委託
・・・この方法自体を批判している方も多いのは事実なのですが、商品を 割引価格とか原価で買い取ってもらって、買った方は自由に販売できる・・・ というタイプの委託。
一方的委託の一つですね。

●物々交換委託
互いの商品を完全に交換してしまう委託方法。
同冊数で・・・というより、ほぼ同価格分を交換することが多いと思われ ます。
買い取り委託同様、その商品は自由に販売することができます。

●合同スペース的委託
厳密に言うと『委託』とは違うのかもしれませんが一応・・・
スペース代を出品数・部数等で折半する・・・という方法です。
イベントの委託スペースを利用する感じと似ているとも言えるでしょう。

委託期間・代金還元時期
『買い取り』や『物々交換』には関係ありませんが、これらについては 取引をはじめる前に、しっかりと決めておかなくてはなりません。
色々な方法があると思われますので、ここには書きませんが、 これらをしっかり話し合わないで委託をしたがためにトラブルになった・・・ という例もありますので。

『お礼』の概念
上記に挙げた委託はもちろん、イベントでの売り子さん・執筆の際のアシスタントさん等の アルバイト的お手伝いをしてくださった方には、やはり必要と考えるべきでしょう。
それこそ、発行物を差し上げたり、食事を御馳走する、労働力でお返しする・・・程度の 場合もあれば、金銭的なお礼も考えられます。
後のトラブル防止のため、予め決めておかなくてはなりません。
金銭での『お礼』の場合、予想していなかった交通費・宿泊費等の必要経費を合わせて請求されて しまう場合もありますので、特に注意が必要です。
(必要経費だからといって、あれもこれも請求する・・・って考え方は、個人的には あまり好まないのですが・・・)
あまりにも、横暴な額のお礼を要求する相手に対しては、 取引をする前にお断りしておくことをオススメします。

『まあ、このくらいいいか☆』的考え
上記のお礼についてもそうなのですが・・・
最初にきちんと取引のルールを決めていなかったり、きちんと決めていてもいつの間にか 守られなくなったり・・・からこんな考えが生まれ、トラブル発生の元となることもあります。
極端な例ですが・・・『必要経費は当方で負担します』のルールで売り子をお願いしたところ、 『売り子には全然関係ない友人の交通費』や『イベント後の打ち上げ費用』まで請求されてしまった ・・・とか、そんな感じですね。
ただ・・・あまりにも細かくマニュアル化してしまうのも大変ですし、相手からも敬遠されてしまう かもしれないし・・・難しいところではあります。
自衛方法としては・・・考え方の合わないルーズなサークル様との取引は、お断りする・・・ といった程度のことしかないかと思われます。

トラブルの際は・・・
イベントでのトラブルと違って、トラブルの解決を取り仕切ってくれる 人が誰もいないのが現実。
自分達でなんとかするしかないのです。
・・・そうならないためにも、相手を見極める・・・ってことも大切 になりますね。




その他のお手紙に関するマナーの各項目はこちらです。
合わせて御覧になった上で、参考にしていただけたら幸いです。


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